
デザインを「センスのある人だけのもの」と思っていませんか?
筒井美希さんの『なるほどデザイン』は、そうした固定観念を壊し、誰もが「デザインを理解し、楽しみながら実践できる」よう導いてくれる一冊です。
本書は「読む」というより「眺めて学ぶ」体験型のデザイン本で、特に初心者にとっては直感的に理解しやすい内容になっています。
ここでは、本書の要約と読んで感じた正直な感想を紹介します。
『なるほどデザイン』の詳細な要約
『なるほどデザイン』は、デザインの基礎を 「見せ方」「伝え方」「考え方」 の3つの視点から解説している実用的なガイドブックです。
1. デザインの役割
- デザインは「見た目を整える」ことではなく「情報を的確に伝える」ための道具。
- 読み手の視線を誘導し、必要な情報をスムーズに理解させる役割を持っている。
2. 見せ方の工夫
- レイアウト:文字や画像の配置で「読みやすさ」が大きく変わる。
- 余白:恐れずに使うことで、情報が呼吸できるようになる。
- 色:感情や印象を操作する強力な要素。
- 文字:大きさや太さで視覚的なリズムを作り、主張をはっきりさせる。
3. 伝え方の設計
- 「誰に、何を、どう伝えるのか」を明確にすることがデザインの出発点。
- ターゲットや目的を意識したデザインは、単なる装飾を超えて「伝わる力」を持つ。
4. プロの思考プロセス
- 発想から完成までの流れを可視化し、読者に「デザインの裏側」を体験させてくれる。
- 思いつきではなく、意図と仕組みで作られることを理解できる。
特に印象的なのは、豊富な図解とビジュアル例。
悪い例と良い例を並べて比較することで、「なぜこのデザインは見やすいのか?」を自然に理解できます。
『なるほどデザイン』を読んだ感想
読んでみてまず感じたのは、ページをめくるだけで楽しい本だということです。
カラフルで視覚的にインパクトのある例が多く、まるで雑誌を読んでいるようにスムーズに進めました。
ただし、私自身の正直な感想を言うと、
- 視覚的に面白く「なるほど!」と思う場面は多かった
- けれど、実践できそうなものは意外と少なく感じた
- 読み進めるうちに「自分には美的センスが足りないのでは?」と気づかされた
という複雑な気持ちになりました。
つまり、楽しく学べる一方で、デザインを「理解すること」と「使いこなすこと」の間にはギャップがあると感じたのです。
とはいえ、この気づき自体がとても大切だと思います。
「センスがないから無理」ではなく、センスが足りないからこそ、基礎を意識的に練習する必要がある――本書はそのスタートラインに立たせてくれる存在でした。
この本から学べること
- デザインは「直感」ではなく「論理と仕組み」で作られている
- 余白・色・文字の使い方だけで印象が大きく変わる
- 良い例と悪い例を見比べることで、センスが磨かれる
- 実践にはトライ&エラーが不可欠
『なるほどデザイン』をおすすめしたい人
- デザインをこれから学びたい初心者
- 資料やブログをもっと分かりやすくしたい人
- 感覚的にデザインを理解したい人
- 楽しくデザインの基本を体験したい人
逆に、即効で「プロ並みの技術」を身につけたい人には少し物足りなく感じるかもしれません。
関連するおすすめの本
『なるほどデザイン』を読んでさらに理解を深めたい方には、以下もおすすめです。
- 『やってはいけないデザイン』筒井美希
→ 本書の姉妹本。悪いデザイン例から学べる実践的な内容。
- 『ノンデザイナーズ・デザインブック』ロビン・ウィリアムズ
→ 世界的に評価の高い入門書。4つの基本原則を解説。
- 『デザイン入門教室』坂井直樹
→ 日本語で分かりやすくデザイン思考を学べる。
想定されるQ&A(FAQ)
Q1. 『なるほどデザイン』は初心者でも理解できますか?
A. はい。専門用語を避けて直感的に学べる構成なので、初めての人に最適です。
Q2. 読んだらすぐにデザインができるようになりますか?
A. 基本は理解できますが、実践には繰り返しの練習が必要です。
Q3. 見るだけでも効果がありますか?
A. あります。良い例と悪い例を比較するだけで、自然に感覚が養われます。
Q4. 電子書籍と紙、どちらがいいですか?
A. 紙の方が配色やレイアウトを細かく確認できるのでおすすめです。
Q5. デザインセンスがないと感じても読んだ方がいいですか?
A. むしろそういう人にこそ役立ちます。センスを「意識して磨く」きっかけになります。
Q6. 続編や関連本はありますか?
A. 筒井美希さんの『やってはいけないデザイン』が姉妹本として出版されています。
まとめ
『なるほどデザイン』は、デザインの世界を初めて体験する人にとっての「入口」となる一冊です。
視覚的に楽しく学べる一方で、自分自身の美的センスに向き合うきっかけも与えてくれる本でした。
デザインに興味がある人はもちろん、「自分にはセンスがない」と思っている人ほど読んでみてほしい本です。
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